2012年06月14日

第40回記念定期演奏会の開催にあたり〜今回の演奏会の聞きどころ

 コンコルディアは今年40歳になり、二度目の成人式を迎えました。これもひとえにこれまで支えていただきました聴衆の皆様、CDでいつもコンコルを聴いてくださる皆様、先輩、仲間たちのおかげと思います。改めて御礼申し上げます。
 先日、当団の創立40周年の記念パーティが開かれました。第一回の定期演奏会の写真を初めて見ることが出来たのですが、そこにいるのは今と同じキラキラした目のやる気満々のメンバーでありました。40年が過ぎ、創立当初から参加いただいている先輩方が何人も本日のステージに集まってくださいます。コンコルディアには今そうした還暦を過ぎた先輩から大学生まで実に幅広い年代の団員が所属しています。そしてコンコルディアが取りあげる作品もまた世代を超えて、歴史を超えて後世に残すべき作品ばかりであると自負しています。
 私がコンコルディアで指揮をとって25年目になりますが、若者の音楽的嗜好の変化の中で、変わらぬモノを愛し、切磋琢磨して取り組めるメンバーに恵まれた事は本当に幸せな事だと実感いたします。ただひたすら、ひたむきに取り組んできた事が、悠久の時の流れの中で確かな存在を示す、ごく小さな光となれたらの想いで続けてきた25年でした。社会人の音楽団体は学生時代のように、惜しみなく時間を注ぎ込んで音楽に打ち込める、というものではありません。『音楽活動』に対する価値観も個々人によって大きく異なります。そんな環境でありながらも毎回約10カ月をかけて演奏会を作り上げていく事をたゆみなく続けてこれたのはメンバーの努力とコンコルディアという団体に属するメンバーの人間性ゆえであったかと思います。これまでにステージに乗ったメンバーは350人を超えているようです。その中から今回は総勢80名が集いました。遠地から駆けつけてくれたOBOGも多数ステージに立つことになります。何年も離れていてまた戻ってきてくれた方、子育てが一段落して戻ってきてくれた方、メンバー全員に心から感謝の意を伝えます。そしてまたすべての関係者の皆様にも改めて御礼を申し上げます。

 さて今年はお祝いの年です。難しい事は言いません。舞台の上のメンバーも会場の皆様もご一緒に楽しみましょう。
 第一部では先輩諸氏が古くからなじんだ古今名曲を並べました。「ローラ序曲」は第1回定期演奏会の1曲目に演奏した、コンコルディアの起源と言ってもいい曲です。「夜曲」も第1回定演で演奏された作品です。「華燭の祭典」は第15回記念演奏会で演奏した作品です。このステージはコンコルディア創設期から尽力してくださった皆様と共に誕生パーティのつもりで楽しみたいと思います。

 第二部はコンコルディアに縁の深い作曲家の方々の作品を採り上げます。
 帰山先生の作品は今回で20作目になりました。一人の作曲家の作品をこれだけ追い掛け続けてこれたのは、大変貴重な経験であると感じます。帰山作品の魅力はなんといってもそこに人生そのものが投影されている事でしょう。我々は20年かけて孤高の作曲家の人生を追い掛けてきたのだと思います。それは壮大な叙事詩のようでもあり、「宿命的な寂しさ」と対峙してきた男のモノローグのようでもあります。この旅路の果てに何があるのかはわかりません。全ての作品を網羅する事も叶わないかと思いますが、これからもコンコルディアは毎年この作曲家の歩く道を辿り続けて行くことになると思います。それこそがこれまでのコンコルディアのレゾンデートルの一つであり、これからもそうだからです。
 続いては小林由直さんと吉水秀徳さんの作品です。お二人とは約20年のお付き合いになりました。今回採り上げる2曲はいずれもコンコルディアが初めて取り上げた各氏の作品であり、縁のある作品を並べてみました。
 「2つの動機」は、87年に名古屋大学が初演以来初めて復活演奏をしたのですが、その演奏を聴いて感激したメンバーが夜行列車で私の家に駆けつけて、いいからこれを聴いてくれと言われて、忽ち魅了され、翌年に演奏するという出会いをしました。なんともおおらかな時代でありましたが、なんと今年偶然にも、その87年の名古屋大の演奏メンバーが入団してくださったという奇跡的な巡り合いがありました。非常に感慨深いものがあります。また吉水さんには第21回定期演奏会のおりに、弊団のエンディングテーマであるDear Concordiaも作曲していただきました。オフィシャルには初めて書きますが、作品の主題はまさにDear ConCorDiaから採られたD-C-C-Dであります。我々は毎年の演奏会の終わりに感謝の心を込めて、このD-C-C-Dのモチーフを奏でています。
 小林さんとの想い出はまずなんといっても第23回で初演した、「音層空間」が挙げられます。オーケストラが16-8-4-3-2-2と35パートにも細分化され、なおかつオーケストラがハープを取り囲むように配置された非常に複雑でありながら、幾重にも透明なヴェールをまとった女神像を思わすこの作品はJ.アダムスの「ハルモニウム」を彷彿とさせる名曲でありますが、殆ど再演されておりません。いつかまた我々の手でこの作品を音にしなければいけないと考えております。そして第30回「旅人の歌」、37回「海光る風」と大作を取り上げさせていただく中で、忘れ得ぬものとして第29回で取り上げた「ELEGIA」があります。今回取り上げる「星の庭」同様「音楽を続ける事の叶わなかった友人」へのレクイエムと言ってもいいかと思います。小林さんの作品では大曲とともにこうした心象風景とも言える作品への共感は若い時分もり更に深まってきたように感じます。

 第三部ではまずはじめに今年の最大の目玉である熊谷賢一先生の「宇宙船地球号は歌う」をお楽しみいただきたいと思います。熊谷作品は様々な事情から現在殆ど取り上げられる機会もなく、歴史の中に埋没されようとしています。しかしここに聴かれる響きはマンドリンオーケストラという音響集団が奏でる響きの特性を熟知し、なおかつ次々と湧き出る魅力的な歌とそれを彩るオーケストレーションの才が筆を操った正にマジックといっても差し支えないものです。殊に熊谷作品で聴かれるユニゾンの強さと美しさは、自分の言葉を音楽として伝えるんだという他に類を見ない強い意志を感じます。これらの作品を我々は失おうとしていますが、熊谷作品は絶対に忘れられてはいけない作品です。これからもなんとか継続的に取り上げながら、歴史の証人としてその確かな足跡を形あるものとして伝える使徒として活動してまいりたいと考えています。
 そして記念すべき40周年の大トリを飾るのは、コンコルディア創立メンバーが薫陶を仰いだ巨星鈴木静一の大作「幻の国・邪馬台」です。何も言うことはありません。メンバー全員の40年分の想いを乗せてお届けいたします。
 今のところ天候は曇り後雨という予報ですが、ぜひお運びいただき、蒸し暑い夜の極上のソワレをごゆっくりお楽しみいただけますと幸いです。
posted by コンコルディア at 22:10| Comment(0) | コンコルからのお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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